天邪鬼とウリ姫
「ウリ姫や、わたしらがいない間、誰が来ても戸を開けちゃいけないよ。
外には天邪鬼という悪い奴がいて、大人の留守に娘に乗り移って心を喰ってしまうのじゃ。
心を喰われた娘は、意地悪な醜い娘になってしまうからな」
「分かったわ。絶対に戸は開けないから。」
ウリ姫のその言葉を聞いたので、心配しながらも
二人は戸締りをしっかりして町へ出かけていきました。
ウリ姫が一人ではたを織っていると
「ウリ姫、ウリ姫、遊ぼうよぉ」
と天邪鬼が窓から覗き込んで声をかけてきました。
ウリ姫は初めてみる天邪鬼に体が凍りつき、震えて怖くなりました。
天邪鬼は甘えるような声で言いました。
「ちょっとだけ戸を開けておくれ。ぼくはウリ姫と友達になりたいんだ」
おじいさんとおばあさんの言いつけを聞いていたウリ姫は
「ダメよ。じいさまとばあさまが戸は開けちゃいかんと、言うたから。」
断っても天邪鬼は引き下がりません。
「それなら、指一本入るだけ開けとくれよ。」
しつこく何度も頼みました。
ウリ姫は指一本ぐらいなら、天邪鬼は中に入って来れないだろうと、ほんのちょっぴり戸を開けました。
すると、天邪鬼の長い長い爪が戸の隙間にかかると、その戸を力いっぱい引き開けて天邪鬼が家の中へ入ってきたのです。
ウリ姫はあまりの怖さに気を失ってしまいました。
しばらくして、気が付いて起き上がったウリ姫はもう元のウリ姫ではありませんでした。
天邪鬼が乗り移って目が釣りあがった恐ろしい顔になってしまったのです。
ウリ姫は台所へ行き、おまんじゅうやお菓子やその場にあるものをムシャムシャと食べ始めました。
やがて、おじいさんとおばあさんが帰ってきました。
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