一寸法師
川の波に揺られながら日が昇り日が沈み… そうこうしているうちに
大きな家が立ち並ぶ都へとやって来ました。
人が大勢います。
一寸法師は踏みつけられないように用心深く歩きながら
都の中でも特に大きな家の前にやって来ました。
そして大きく息を吸ってとても大きな声で言いました。
「ごめんください!ごめんください!」
家の住人がその声を聞いて顔を出しましたが
「おや?声が聞こえたはずなのに誰もいないぞ?どこにいるのだ?」
と一寸法師に気付きません。
一寸法師は大きな声で
「ここです!ここにいます!」 と足元から叫びました。
その家の家主は一寸法師を見つけて驚きました。
「おや、小さなお客様だ。面白い」
「ぼくは一寸法師です。あなたの家来にしてください」
「そうか、よし、それなら姫のお相手をせよ」
そうして一寸法師はこの大きな家の家来になりました。
姫は一寸法師をとても気にいって、どこへ出かけるにも連れて行くようになりました。
一寸法師も姫が大好きになりました。
2人はよく遊びました。
ある時、一寸法師が遊びつかれて眠っている姫にいらずらをしようと思い
姫の口の周りにお菓子の粉をつけました。 そして
「殿さま、殿さま、姫様が私のお菓子を横取りして食べてしまいました」 と言いました。
それをみた殿さまはカンカンに怒り
「姫よ。泥棒をするとは許しがたい。この家を出て行きなさい」
姫は訳も分からず家を追い出されてしまいました。
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