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カモ取りごんべえ


むかしむかし、あるところに、ごんべえ という鉄砲の名人がいました。 ある日、ごんべえの友達が家に来て言いました。 「ごんべえさん、裏の池にカモがたくさん来ているよ。撃ちに行ったらどうだい」 「ほう、そうか。ありがとう。さっそく池に行ってみるよ」 ごんべえは自慢の鉄砲を担いで、裏の池に行ってみました。 教えてもらったとおり、確かに池にはたくさんのカモがいました。 「こりゃ、いるわ、いるわ… ひいふうみい… 十一羽もいるじゃないか」 さあて、どのカモから狙おうかと鉄砲を構えたところで、ごんべえは気付きました。 「待てよ、一発”バンッ!”と鉄砲を撃ったら、その音に驚いて他のカモは逃げてしまうじゃないか」 一匹は確かに捕まえられるかもしれません。 でもせっかくの沢山のカモの軍団です。一匹で終わるなんてもったいない… どうしたら十一羽全部捕まえられるだろう… ごんべえは頭をひねりました。 でも、いくら考えても鉄砲から飛び出す弾は一度に一発だけ。 「どう頑張っても、一羽が限界か…しかたない、とりあえず一羽を確実にしとめるとするか」 結局、十一羽全部を捕まえることを諦めて、中の一匹を狙い鉄砲で撃ちました。  バーン! すると、驚いたことに弾はなぜかぐにゃぐにゃ曲がって飛んでいき、十一羽のカモに次々に当たっていったのです。 鉄砲の弾の勢いは止まらず、池の向こう岸でのんびり水を飲んでいたイノシシの頭にも当たったのです。 「これは、どうしたもんか、たまげた!」 ごんべえは驚くやら嬉しいやら腰をぬかしてしまいました。 ごんべえは気をおちつけると どでん、すでんとしている いのししにとどめを刺しました。 次は鴨です 鴨はみんな池の真ん中で死んで浮いていました 長い竹でかきよせようとしてもとどきません。 「えい」 とごんべえはきているものを脱いでふんどし姿になると ずんずんいけにはいっていったのです。 腰まで水につかって十一羽の鴨を紐でむすんで池から上がろうとしました いけからあがろうとしてもつるつるすべってあがれません そこでくさをつかみました ところが不思議なことにそのくさは ぴんぴんうごきます。 「あれあれ?これは、ウサギさわい」 ごんべえはつかんだのはウサギの耳だったのです。 ごんべえは鴨をきしのほうりあげるとひょいとウサギをころしました。 「さて今度こそあがらなくっちゃいかん」 木の根につかまってあがりました 「これだけのえものをもっていかえるにはなわがひつようだ」 ごんべえのひもはかもをくくるのにつかってしまったのでした 「なにかないかな」 と、いけの周りを探しました なわのかわりになるものは、かずら、しかありません そこでごんべえは、かずらをぐいぐいひっぱるとやまいもが抜けてきたのです。 「あらら、運の良い紐もあるものじゃ」 ごんべえはかずらでやまいもと十一羽の鴨とウサギといのししをくくりました そうこうしているうちに寒くなってきました なにしろふんどしひとつで水の中に入ったり、池の周りをあるいたりしていたのですから ごんべええはきものを 着ようとしました。 でもお尻のあたりが、ぐにゅぐにゅ気持ちが悪い、 どうしてかな、とふんどしをはずしてみるとどじょうが、百一匹にょろにょろぴちゃぴちゃふんどしにもぐりこんでいたのです。 「いやはや、大変なことになった。 きょうは 大量。一発の玉で鴨を十と一羽、ウサギとやまいも、まだまだ、いのししのどじょうが百一匹つかまったわい。 こんな大量は二度とない」 ごんべえはよっこらよっこらえものを担いで帰りました